目立ちにくい矯正法について
矯正治療を受けてみたいけれど、周囲に気付かれるのが恥ずかしい、という方は珍しくありません。矯正治療というと、金属製のワイヤーやマルチブラケットを用いたワイヤー矯正がまず頭に浮かびますし、とても目立つ装置なので、矯正中にはいろいろ苦労しそうなものですよね。けれども、一言で矯正といっても、治療法にはいろいろな種類があります。その中には目立ちにくい矯正法もあります。
マウスピース型矯正
目立ちにくい矯正法としては、まずマウスピース型矯正が挙げられます。透明なマウスピースを用いた矯正法で、周囲に気付かれることなく歯並びを治すことも可能です。
マウスピース型矯正の特徴
マウスピース型矯正では、透明な樹脂製のマウスピースを用います。着脱式の装置であり、必要に応じて取り外すことが可能です。いわゆるワイヤー矯正とは、異なる部分が多々あることから、戸惑う方もいらっしゃるかもしれませんね。そこでマウスピース型矯正のメリットとデメリットをかんたんにご説明します。
マウスピース型矯正のメリット
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● 装置が目立ちにくい
マウスピース型矯正の最大のメリットは“装置が目立ちにくい”という点です。マウスピースは薄くて透明なので、装着していても気付かれにくいのです。目立ちにくい矯正法を希望されている方には、最適な装置といえます。
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● 食事や歯磨きがしやすい
マウスピース型矯正では、原則として食事や歯磨きの際に装置を取り外します。そのため、矯正治療を始める前と同様に、食事を楽しむことができます。歯磨きもしやすいことから、むし歯や歯周病のリスクも上昇しません。
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● 会話がしやすい
マウスピース型矯正装置は、0.5mm程度の厚みしかなく、歯列にぴったりフィットするよう製作されることから、異物感や違和感が極めて小さいです。装置が邪魔になって発音が障害されることもほとんどありません。
裏側矯正
目立ちにくい矯正法としては、もうひとつ「裏側矯正」と呼ばれる治療法も挙げられます。その名の通り、歯列の裏側に矯正装置を設置する治療法で、外から見ると何も着けていないように見えるのが特徴です。ある意味でマウスピース型矯正装置よりも目立ちにくいですが、金属製のワイヤーやブラケットを使用する点は、一般的なワイヤー矯正と同じです。そのため、異物感や違和感が比較的強かったり、金属アレルギーのリスクが生じたりします。また、費用が高くなる傾向にあるのも裏側矯正の特徴のひとつといえます。
目立ちにくいワイヤー・ブラケット
ワイヤー矯正でも、審美性の高い矯正用ワイヤーやブラケットを選択することで、目立ちにくくさせることが可能です。例えば、表面が白くコーティングされたホワイトワイヤーや、セラミック製のブラケットであれば、歯の色に近いことから目立ちにくくなります。その分、費用が高くなりますが、審美性を優先するのであれば、検討する価値があるかと思います。
治療を受ける前に優先順位を決めておく
上述したように、矯正治療にはいろいろな選択肢があります。とにかく審美性を優先するのであれば、マウスピース型矯正が第一に推奨されますが、適応症の広さではワイヤー矯正の方が優れています。つまり、すべての面において優れた矯正法は存在しないため、何を重視するかによって最善といえる治療法も変わってきます。ですから、歯列矯正を検討中の方は、治療に何を求めるのか、事前に優先順位を決めておくことが大切です。それがはっきりしていれば、最適といえる治療法も見つけやすくなりますよ。