すきっ歯を矯正で治す方法について
歯列の中にすき間が生じているすきっ歯は、放置するとさまざまなデメリットが生じることがあります。実際、すきっ歯の見た目の問題で悩まれている方は非常に多いです。今回はそんなすきっ歯の特徴や治療法についてわかりやすく解説します。
すきっ歯とは
すきっ歯とは、専門的には「空隙歯列(くうげきしれつ)」と呼ばれるもので、歯と歯の距離が異常に離れている歯並びを指します。上の前歯の間に空隙があるケースをとくに「正中離開(せいちゅうりかい)」といいます。一般的なすきっ歯は、これを指していることが多いです。
すきっ歯による弊害
すきっ歯だと、見た目が良く態ため、口元のコンプレックスになりやすいです。また、息漏れが生じることから、発音障害が現れる傾向にあります。その他、食べ物が詰まりやすかったり、かみ合わせに異常が生じたりすることもあります。それだけに、矯正によって治療するのが望ましいといえるのです。ちなみにすきっ歯は、ワイヤー矯正、マウスピース矯正、ダイレクトボンディングなどで治療することが可能です。
ワイヤー矯正によるすきっ歯の治療
すきっ歯は、最も標準的な治療法であるワイヤー矯正で治すことが可能です。すきっ歯の症例はスペースが足りていることが多く、非抜歯となりやすいです。マルチブラケットを用いれば、歯の三次元的な移動もできるので、ほとんどのすきっ歯の症状を改善できます。治療期間は一般的に2~3年程度、費用は80万円前後です。第1期治療を受けている場合は、40万円程度となります。
メリット
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ほとんどの症例に適応できる
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自分で着脱する必要がない
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細かな調整が可能
デメリット
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装置が目立ちやすい
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歯磨きしにくくなる
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装置が故障することがある
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異物感や違和感が比較的大きい
マウスピース矯正によるすきっ歯の治療
すきっ歯は、マウスピース矯正でも治すことができます。当院で取り扱っているインビザラインは、透明な樹脂製のマウスピースを装着することで、歯並びの乱れを整えます。装置が目立ちにくく、装着感も良好な矯正法です。治療にかかる期間は、ワイヤー矯正とほぼ同じです。治療費は88万円、第1期治療を終えている場合は、44万円となります。
メリット
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装置が目立ちにくい
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違和感、異物感が少ない
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着脱式なのでお手入れが楽
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歯磨きしやすくむし歯や歯周病リスクが低い
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装置が破損してもすぐに複製できる
デメリット
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ワイヤー矯正ほど適応範囲が広くない
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1日の装着時間が決められている
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装着中は飲食に制限がかかる
ダイレクトボンディングによるすきっ歯の治療
矯正治療とは異なりますが、ダイレクトボンディングによってもすきっ歯の症状は改善できます。ダイレクトボンディングとは、歯の表面にレジンやセラミックのペーストを塗布し、光で固める治療法です。歯を削らず、歯を移動することなく、すきっ歯を改善できます。ただし、すきっ歯を根本から治す治療法ではありませんので、その点はご注意ください。
メリット
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即日、すきっ歯の症状を治せる
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費用が比較的安い
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歯の形も修正できる
デメリット
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すきっ歯を根本から改善する治療ではない
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ケースによっては適応できない
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全体のかみ合わせは改善されない