矯正治療の流れと注意すべきポイントを解説
矯正治療は、一般歯科の治療とは異なる点が多々あります。最も大きな違いは、治療期間の長さです。すべての歯を治療対象とする「全顎矯正(ぜんがくきょうせい)」は、2~3年の期間を要するのが一般的です。それに加えて、移動した歯をその位置に固定する「保定処置(ほていしょち)」も同等の期間が必要になります。今回はそんな矯正治療の全体の流れや注意すべきポイントについてわかりやすく解説します。
矯正治療の流れ
カウンセリング
矯正治療においてカウンセリングは、極めて重要な意味を持ちます。患者さまが歯並びに関してどのような悩みを持ち、どのような治療を受けたいのかなどを詳細に知ることができる場だからです。そのため、カウンセリングでは不安に感じていることや知りたいと思っていることをできるだけ細かく、ありのまま伝えることが大切です。
精密検査
お口の中の写真撮影やレントゲン撮影、歯型取りなどを行います。矯正専用のレントゲンであるセファログラムは、頭の骨格まで検査できる撮影法で、初めて経験される方がほとんどです。検査項目が多いので、所要時間は1時間程度となります。
診断・治療計画の説明
検査結果をもとに、矯正医が時間をかけて分析します。その上で診断を下し、最善といえる治療計画を立案します。その説明に際しても、しっかりと時間をかけますので、わからないことがあれば何でもご質問ください。治療内容や治療費、治療期間などにご納得いただければ、いよいよ矯正治療のスタートです。
矯正治療前の準備・前処置
矯正治療は開始とともにマウスピースやマルチブラケットを装着できるわけではありません。例えば、奥歯に装置をはめるために、ゴムリングを歯間部にはめることがあります。歯と歯の間にすき間を作る処置なので、数週間の期間が必要となります。ケースによっては、事前に親知らずなどを抜歯することもあります。
矯正装置の装着
準備が整ったら、矯正装置の装着です。ワイヤー矯正の場合は、処置に1~2時間かかります。マウスピース矯正の場合は、それほど長い時間はかかりません。マウスピースの着脱方法を練習して、それを毎日実践していただく形になります。矯正装置を装着したあとは、歯磨き指導も行います。
定期的な通院
歯列矯正は、定期的に経過を見る必要があります。ワイヤー矯正なら1ヶ月に1回程度、マウスピースなら2ヶ月に1回程度の頻度で通院していただきます。治療期間が全体で数年に及ぶとはいえ、通院頻度はそれほど高くはありませんのでご安心ください。
保定処置
歯を動かす動的治療(どうてきちりょう)が完了したら、保定期間へと入ります。その時点は、歯並びは美しく仕上がっているのですが、何もせず放置すると、歯が元の位置へと戻っていってしまいます。そこで必要となるのが保定です。リテーナーと呼ばれる装置を設置、あるいは装着して、歯をその位置に固定します。保定にも数年程度かかる点にご注意ください。
まとめ
今回は、矯正治療の流れと注意すべきポイントを少し細かくご説明しました。とても長い道のりのように思えますが、いざ治療を終えると、あっという間だったと感じる方も少なくありません。そんな矯正治療についてまだまだ不安な点がある方は、お気軽に当院までご相談ください。