お子さまにこんな癖はありませんか?
子どもの歯並びというのは、遺伝だけで決まるものではありません。生まれてからの生活習慣によっても歯並び・かみ合わせは大きく変わっていきます。そこで注意していただきたいのが口腔習癖(こうくうしゅうへき)です。お口の癖には歯並びに深刻な悪影響を及ぼすものもあるため、普段からお子さまの習癖・習慣には十分な注意を払うようにしてください。今回はそんな歯並びを悪くする口腔習癖についてわかりやすく解説します。
指しゃぶり・舌を前に突き出す癖
指しゃぶりは、多くのお子さまに見られるお口の癖です。離乳・卒乳後しばらくは指しゃぶりしていても何ら問題はありませんが、3~4歳になってもやめる気配が見られない場合は要注意です。そのまま放置すると、上の前歯が前方へと倒れ込んで出っ歯を誘発することがあります。舌を前方へと突き出す舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)も同様の理由で出っ歯になりやすいのでご注意ください。
口呼吸は万病のもと?
口で呼吸する習慣がある場合も歯並びが悪くなりやすいです。いわゆる“お口ポカン”の状態だと、顎の周囲の筋肉が働かず、顎骨の発育も遅れることによって上顎前突となりやすいです。これは下顎骨の劣成長が主な原因です。
同時に、口呼吸では舌が常に下方に位置することから、上顎の歯列弓の狭窄(きょうさく)を招きやすいです。上の歯列の幅が狭いため、永久歯をきれいに並べるためのスペースが足りず、乱ぐい歯や八重歯、出っ歯などになってしまいます。
さらに、口呼吸は口腔乾燥を引き起こし、唾液による殺菌作用・抗菌作用・自浄作用を弱めてしまうことから、虫歯・歯周病のリスクを大きく上昇させるのです。同様に感染症である風邪やインフルエンザなどにもかかりやすくなります。
【口呼吸による悪影響】
・顎の骨、筋肉の発育が邪魔される
・上顎前突になる
・歯列弓の狭窄を引き起こす
・深刻なスペースを招いて永久歯列を悪くする
・虫歯、歯周病のリスクが上がる
・風邪などの感染症にかかりやすくなる
唇を吸ったり噛んだりする癖
唇を吸う“吸唇癖(きゅうしんへき)”や唇を噛む“口唇壁(こうしんへき)”も歯並びを悪くすることがあります。多くのケースでは、下唇を噛んだり吸ったりするので、上顎前突になりやすいです上唇を噛む癖があると反対に下顎前突を招きます。いずれも歯や顎の発育に悪影響を及ぼすため、適切な時期にやめさせるようにしましょう。その他、歯ぎしり・食いしばり、爪を噛む、頬杖をつく癖なども歯列不正・不正咬合の原因となり得ます。
まとめ
このように、子どもが見せるお口の習癖・習慣にはさまざまなものがありますが、お兄ちゃんお姉ちゃんになってもなおらない場合は、積極的な治療が必要になることもあります。そんなお子さまのお口の癖で不安に思うようなことが出てきたら、お気軽に当院までご相談ください。きちんと診断した上で最善といえる対処法をご提案します。