根管充填ってなに?根管治療との違いは?
歯の根の治療を行っていると、一般的な虫歯治療では使われない専門用語を耳にしますよね。根管治療や根管洗浄などは何となくイメージできますが、根管充填(こんかんじゅうてん)や根充(こんじゅう)と言われても、それがどのようなものなのか一般の人にはよくわからないことでしょう。今回はそんな根管充填について詳しく解説します。
根管の中に薬剤を充填させる処置
根管充填を簡単に説明すると、根管内に消毒剤やガッタパーチャと呼ばれるゴムの材料を充填させる処置です。「充填」というくらいですから、根管充填後の根管内はこれらの材料でいっぱいになります。
過去に根管治療を受けたことがある方ならご存知かと思いますが、根管充填が終わったらレントゲン撮影を行って、根管内の状態をチェックしますよね。その際、根管は白く強調された形で写るのですが、あれはガッタパーチャに含まれる造影剤によるものです。根管充填がしっかり行われたかどうかを評価する指標になります。
根管治療とは何が違う?
根管治療は、歯の神経を抜いて根管内を形成・清掃し、根管充填するまでのプロセス全体を含む総称です。つまり、根管充填というのは、根管治療の中でもひとつのプロセスに過ぎないのです。根管充填が完了したら、通常は歯の土台を作って型取りをし、被せ物の製作に入ります。
根管充填に進むための条件
根管充填は、根管治療の仕上げの段階であり、そう簡単に移行することはできません。とく保険診療の根管治療は、4~8回程度の通院が必要となることが多く、なかなか根管充填に進めないのが一般的です。そこで気になるのが根管充填に進むための条件ですね。
根管内の無菌化の達成
根管治療の目的は、根管内を無菌化することです。虫歯が歯の神経にまで及んでいると、当然ですがその周りに歯質にも感染が広がっています。そのため、単に歯の神経だけを抜いたのでは、根管内に感染が残ってしまい、さらに深刻な病態へと進行していくのです。具体的には、歯の根の先に膿のかたまりを作る根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)などですね。
最悪なケースでは、顎骨骨髄炎や副鼻腔炎などにも発展しかねないため、根管内は無菌状態にしなければなりません。そうした根管内の無菌化が達成されて初めて根管充填へと進めることになります。
まとめ
今回は、根管治療における根管充填について解説しました。一般の人からすると少しやや難しいお話になったかと思いますが、今現在、根管治療を受けている人や近い将来、根管治療を受ける予定の人は、今回解説した内容をしっかり理解しておくと、先生の説明も頭に入りやすくなるかと思います。