マウスピース矯正は、歯並びを細かく整える治療法なので、基本的には大人が対象です。日本で流通しているマウスピース矯正もそのほとんどは大人用に設計されています。つまり、一般的なマウスピース矯正には年齢制限が設けられているのですが、インビザラインは例外といえます。なぜなら、子ども用のマウスピース矯正も提供・開発しているからです。今回はそんなインビザラインの年齢制限について、つかもと歯科がわかりやすく解説をします。

 

子ども用のインビザラインとは？

インビザラインには、いろいろな種類があります。最もスタンダードなのは「インビザライン・コンプリヘンシブ」と呼ばれるもので、ほぼすべてのケースに適応できる“全体矯正”に当たります。その他、「インビザライン・ライト」や「インビザライン・エクスプレス」、「インビザラインGO」といったプランも用意されており、これらは広い意味での部分矯正に該当するといえますが、対象となるのは永久歯が生えそろった大人です。

そうした数あるインビザラインの中でも唯一、子どもだけが対象となるのは「インビザライン・ファースト」です。インビザライン・ファーストは、6～12歳くらいに適応する1期治療の矯正装置となります。顎の発育を正常に促すと同時に、歯並びも乱れも細かく整えることが可能です。

インビザライン・ファーストの年齢制限

上段では、インビザライン・ファーストの適応年齢を6～12歳くらいとお伝えしましたが、厳密にはもう少し厳しい制限が加わります。なぜならインビザライン・ファーストを適応するためには、以下の3つの条件をすべて満たしている必要があるからです。

◎前から6番目の歯（第一大臼歯）が完全に生えている
◎前歯のうち少なくとも2本が2/3以上生えている
◎少なくとも3～5番目の乳歯が残っている、またはまだ生えていない永久歯が2本以上ある

かなり細かい条件なので、一般の人が確認するのはなかなか難しいかもしれませんね。お子さまの歯並びの状態が上記と合致するのか気になる方は、歯医者さんにチェックしてもらいましょう。標準的なケースでは、7～9歳くらいで上記の条件を満たします。つまり、インビザライン・ファーストを始めるのに適した時期というのは、極めて限定的といえるのです。そのタイミングを逃してしまうと、マウスピース矯正のインビザラインで1期治療を行うことができなくなりますのでご注意ください。

2期治療は12歳以降

永久歯が生えそろい、顎の骨の発育も完成に向かう12歳以降であれば、標準的なインビザラインを使用することができます。多くの場合はインビザライン・コンプリヘンシブを選択して、歯並びの乱れを細かく整えていきます。1期治療で歯並び・噛み合わせの問題が改善されていれば、2期治療のインビザラインは比較的短期間で終えることも可能となります。

 

まとめ

今回は、インビザラインの年齢制限について、つかもと歯科が解説しました。インビザラインでは、マウスピース矯正の中でも珍しい、小児用の治療プランも用意されています。すべての年代が受けることができるマウスピース矯正は、インビザラインだけと言っても差し支えないでしょう。とはいえ、子ども用のインビザラインにも厳密な年齢制限が設けられていますので、小児矯正の相談は早めに受けておくことをおすすめします。