親知らずは矯正治療で必ず抜くもの?
矯正治療では、便宜抜歯(べんぎばっし)を行うことが多いです。歯をきれいに並べるために便宜上、必要なる抜歯で、前から4・5番目の小臼歯が対象となりやすいです。矯正治療ではそれとは別に親知らずも抜く場合があります。親知らずはその他の永久歯よりも抜歯が難しい場合も多く、できれば抜きたくないという方もいらっしゃることでしょう。今回はそんな矯正治療における親知らずの抜歯について、つかもと歯科がわかりやすく解説をします。
矯正治療における親知らずの扱いについて
矯正治療では、親知らずも便宜上、抜歯をすることがあります。そもそも親知らずというのは、矯正治療を行わなくても邪魔になりやすい永久歯なので、あらかじめ抜いておいた方が仕上がりも良くなりやすいです。具体的には、次のようなケースで親知らずを抜歯します。
ケース1:親知らずが歯並びを悪くしている
親知らずが原因で歯並びが悪くなっている場合は、ほとんどのケースで抜歯が適応されます。もちろん、親知らずの生え方や埋まり方に問題がある場合、例外的に抜かないという選択肢をとる場合もありますが、親知らずがあることで理想的な歯列を獲得できないケースは意外に多いものです。
ケース2:親知らずが歯の移動を邪魔する
今現在、親知らずがあることで歯並びが悪くなったり、手前の歯の歯根が吸収されたりしていなくても、矯正治療を始めることで障害になる場合はあります。例えば、出っ歯の場合は、歯列全体を後ろに下げることになりますが、その際、最後方に親知らずがあると歯の動きを阻害します。そうしたケースではあらかじめ親知らずを抜きます。
ケース3:将来的なトラブルの予防
矯正治療に入ると、1~3年程度は装置を装着することになります。インビザラインに代表されるマウスピース矯正なら、装置の撤去も容易ですが、固定式のワイヤー矯正となると、親知らずにトラブルが起きた際の対応が難しくなります。具体的には、歯列矯正中に親知らずが虫歯や歯周病になったり、嚢胞(のうほう)などの異常が生じたりすると、治療を一定期間中断しなければならなくなるのです。それはマウスピース矯正も例外ではありません。そういう観点から、将来的なトラブルを予防する目的で、矯正前に親知らずを抜くこともあります。
親知らずを抜歯するデメリットは?
矯正前に親知らずを抜くデメリットとしては、治療期間が数週間程度長くなるくらいです。上下左右で4本の親知らずが残っていて、それらをすべて抜くとなると、1ヵ月以上かかることになりますが、親知らずを失うこと自体にデメリットはありませんのでご安心ください。
また、適切な医療機関で抜歯をすることで、処置に伴うリスクも最小限に抑えられます。これから矯正という人生において極めて重要な治療を行うのですから、万全の体制で臨むようにしましょう。その上で親知らずの抜歯は必須条件となることもあります。
まとめ
今回は、矯正治療を行う際に親知らずは必ず抜かなければならないのかどうかについて、つかもと歯科が解説しました。親知らずは、すべての矯正治療で抜くことになるわけではありません。あくまで抜く必要がある場合に限り、親知らずを抜歯します。ご自身のケースでどうなるのか気になる方は、一度当院までご相談ください。お口の中を拝見した上で、矯正治療の見通しについてお話させていただきます。