歯周病とビタミンの関係について解説
5大栄養素のひとつであるビタミンは、さまざまな病気の予防に寄与します。ビタミンは、体内で作ることがほとんどできないため、不足しがちな人が極めて多いです。今回はそんなビタミンと歯周病の関係について、つかもと歯科がわかりやすく解説をします。
最も関係が深いのは「ビタミンC」
数あるビタミンの中で歯周病と最も関係が深いのはビタミンCです。なぜなら、ビタミンCは歯茎の主成分である「コラーゲン」の合成を促進する働きが期待できるからです。歯茎の代謝が正常に進み、常に健康的な状態を維持することができれば、歯周病菌による攻撃にも抵抗できます。逆に、ビタミンCが不足してコラーゲンの合成が滞っていると、歯周病による炎症反応が進行しやすくなり、歯茎の破壊も進んで行きます。また、硬い食べ物などで傷ついた歯茎は、コラーゲンの合成によって修復されやすくなります。
「ビタミンE」による血行促進と抗酸化作用
ビタミンEには、血行促進と抗酸化作用が期待できます。血行の促進は、歯肉・歯根膜・歯槽骨といった歯周組織全般にまで及ぶことで、免疫力が高まり、歯周病菌への抵抗力も向上します。抗酸化作用は、血管の老化を抑えてくれるため、歯周組織への酸素、栄養素、免疫細胞を滞りなく供給するのに寄与します。
骨の代謝を促進する「ビタミンD」
ビタミンDは、骨の代謝に深く関与する栄養素です。骨の構成成分であるカルシウムの吸収を助けることから、毎日、一定量の摂取が必要となります。ビタミンDが不足すると歯を支える骨の状態が悪くなることで歯周病のリスクを増大させます。ちなみに、ビタミンDはきのこ類や魚介類から効率よく摂取できますが、太陽光に当たることも大切です。皮膚に紫外線が当たることでビタミンDを合成することが可能となっています。一般的には1日に30分程度の日光浴を行うことで、十分な量のビタミンDが合成できるといわれています。
「ビタミンB」は歯茎の健康に良い
ビタミンBは、口内炎の症状を改善する際に有効な栄養素です。歯周病による歯茎の腫れの改善にもよく働いてくれることでしょう。具体的には、細胞の再生や成長の促進、粘膜を保護する役割が期待できます。
歯周病予防は食生活の改善から
現代人は、ビタミンが不足する傾向にあります。それは食生活に偏りが生じているからなのでしょう。とくにビタミンは意識して摂るようにしなければ、どうしても不足してしまいますので十分にご注意ください。ビタミンの摂取量まできちんとコントロールできる食生活を送れるようになれば、歯周病のリスクも大きく減少することでしょう。
歯周病予防の基本は口腔ケア
今回は、ビタミンと歯周病の関係について解説させていただきましたが、歯周病予防で最も重要なのはやはり口腔ケアです。歯の表面に歯垢や歯石が堆積してしまっていたら、どんなにバランスの取れた食生活を送っていたとしても、歯周病になってしまいます。ですから、ビタミンを始めとした健康維持・増進に寄与する栄養素をしっかり摂取すると同時に、口腔ケアを徹底することも忘れないようにしてください。それが歯周病予防への近道です。
まとめ
このように、歯周病はほとんどのビタミンと関係性が認められる病気です。虫歯と比較すると、歯周病が全身の健康状態との関りが深い病気であることもおわかりいただけるかと思います。歯周病は生活習慣病の一種といわれ、正しい食生活を送ることで予防もしやすくなるのです。