歯の根っこが折れる原因と対処法について
私たちの歯は、歯冠(しかん)と歯根(しこん)で構成されています。歯の頭の部分に相当する歯冠が欠けたり、割れたりした場合は一目瞭然ですよね。とくに歯冠が折れるようなことがあった場合は、患者さんもすぐに気付くことかと思います。
一方、歯の根っこに相当する歯根は、折れても肉眼では確認できません。ケースによっては痛みなどの症状も現れないことから、自覚できずに放置してしまうことも珍しくないのです。今回はそんな歯根が折れる原因と対処法について、つかもと歯科が詳しく解説をします。
歯根が折れる原因は?
歯根が折れる歯根破折(しこんはせつ)は、以下のような原因で発生します。
原因1:外傷
歯根が折れる原因として第一に挙げられるのは、外傷です。スポーツをしている時に歯が強い衝撃を受けたり、転んだ際に顔面を強打したりした場合には、歯冠だけでなく歯根まで割れることがあります。そうしたケースでは、強い痛みを伴うことも多いです。
原因2:歯の神経を抜いたことによる歯の強度の低下
虫歯を重症化させると、歯の神経を抜いた上で根の中の治療行わなければなりません。そうした神経の処置などを行った歯は、強度が低下する点に注意が必要です。神経を抜いた歯は、歯の神経がある歯よりも確実に根が折れやすくなります。
原因3:歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりや食いしばりをする時は、成人男性の場合で60~100kgの力がかかるといわれています。その影響は歯根へと集中することから、歯ぎしり・食いしばりによって歯根破折が生じるケースも多々あるのです。
原因4:適合の悪い修復物
お口の状態に合っていない詰め物や被せ物、ブリッジなどを装着していると、特定の歯に大きな負担がかかります。その結果、歯根に応力が集中して破折を招くのです。
歯根が折れた時の対処法は?
歯根が折れた場合は、まずレントゲン検査でその状態を精密に調べる必要があります。歯根破折では、根っこの折れ方によって対処法も大きく変わってきます。
歯根が水平に折れた場合
歯根が歯の噛む面と水平に折れた場合は、比較的対処がしやすいです。折れた範囲によっても対処法は変わってきますが、軽度であれば修復などの方法で治療できることが多いです。歯根の水平破折でも場所が悪かったり、重症度が高かったりする場合は、抜歯をせざるを得なくなります。
歯根が垂直に折れた場合
歯根が歯の噛む面と垂直に折れた場合は、多くのケースで抜歯となります。歯根の垂直的な破折は、修復が難しく、もうすでに感染が根元の方まで広がっていることが多いため、抜歯が第一選択となりやすいです。もちろん、歯根の垂直破折でも歯を保存できるケースはあることから、いずれにしても精密検査を行う必要があります。
歯を抜いた後は被せ物治療
歯根破折によって抜歯をした場合は、入れ歯やブリッジ、インプラントなどの補綴治療を受ける必要があります。歯を失った状態を放置すると、さまざまなでデメリットが生じるため、できるだけ早く被せ物治療を受けるようにしましょう。
まとめ
今回は、歯根が折れる原因と対処法について、つかもと歯科が解説しました。歯根は外傷や神経の処置、適合の悪い修復物などが原因で折れることがあります。折れた時は、強い痛みが生じる場合もあれば、無症状の場合もありますので、自己判断はせずにまずは歯医者さんに診てもらいましょう。とくに転倒などで歯を強く打った時は、わかりやすい症状が出ていなかったとしても、念のため歯科で検査を受けておいた方が良いです。